賃貸物件のマンション建設の噂があれば問い合わせをして町会の加入をお願いしている。経堂南の町会費は年間600円。磯田さんが会長になられてからずっと変わらないのだそう。


ぜひね、町会に入ってくださるようにおすすめくださいねってひとことは必ずお伝えするんですけどね。
町会に加入する強みは?と質問したところ、防犯カメラをつけてるところだと経堂南町会の皆さんは言う。



その重要性をもっと押し出してPRしていきたい。
住んでる町が安全に暮らせるというのは町会が週に1回はパトロールを行ったり、防犯に尽力しているからだ。
堤さん曰く、経堂北町会は資源ごみの回収業者と契約して年間の売り上げを立て、会費0円の町会運営を行っているそう。そうした取り組みを知り、堤さんは毎週のパトロールにも参加してくれた人たちに報酬が払えるような仕組み作りができれば、と考えている。
ただ経堂北町会の施策は1町会だけであれば手が回るものの、他の町会もとなると資源ごみ回収業者の負担が大きくなかなか了承してもらえない難しさがあるらしく、他のアイデアでも構わないから「町会費を集める」ではなく「施設利用料」といった形の財源作りを検討していきたいと力強く語ってくれた。
そうした財源作りを行っていくことで何か魅力的な活動も可能になってくるんじゃないかと磯田さんも賛同している。
防犯対策として防犯カメラを設置するにしても数を設置すればいいという話ではない。
設置にかかる費用だけでなく、ランニングコストが毎年かわる。電気代はもちろん、電柱の使用料をはじめ設置台数によって費用は増え、さらには経年劣化によるメンテナンス時期が重なったこともあり積立金を取り崩すかの話にまでなったと言う。
現在経堂南町会では12台の防犯カメラを設置しており、総会では追加設置についての話し合いも繰り広げられている。地域全体に5000世帯ほどはあるものの組織化されているのは1000世帯ほど。年間600円の町会費をどう地域に活用していくのか、新しい取り組みを行うにあたってどうマネタイズしていくかが課題だ。
防犯と同じように地域住民から町会に期待されるのが”防災”だ。
高見澤さんのインタビューでも触れたが、防災訓練への参加を経堂南町会の役員さんたちは重要視していて、議論上訓練や災害の被害が起こったときにどうするのか、帰宅困難者が出たらどう対応していくかという話を度々行っているそう。
防災マニュアルなどが用意され、いざというときの対策は講じているものの、実際にやってみるとなるとできない人が多い。スマートフォンで調べながらなんでもできる時代。災害時には調べながらできるとは限らない。だからこそ若い世代にこそ防災訓練に参加してほしいと言う。
実際になにか災害が起こった時、高齢の町会役員が全ての地域住民のケアをできるとは限らないと経堂南町会の皆さんは危機感を覚えている。地域住民の知らないところで地域住民の安全をこれほど考えてくれている人たちがいることを多くの人に知ってもらいたいと思う。
インタビューの帰りに「今頃緑道の整備をしているはずだからぜひそちらにも行ってみて欲しい。」と堤さん言われそちらにも足を運んでみた。普段何気なく歩いている緑道も気にしながら歩けば堤さんが見つけたように経堂南町会が管理していることがわかる看板もある。
何気ない景観を守ることも「人の目がある」とアピールすることに繋がり、防犯にちながっているのである。











