自治会・町会インタビュー 代沢中町会 ~ いちのいち運用の試行錯誤を続ける広報担当の山脇さん

画家・イラストレーターとして活躍する山脇さんは代沢中町会では広報担当として町会の枠を超えた地域イベントのポスターデザインやクリエイティブ作成する傍ら「いちのいち」の更新などにも携わっている。

山脇さんは2023年11月に開催された世田谷区「いちのいち」導入実証実験意見交換会にも代沢中町会代表として登壇し、導入から見えてきた課題についてもお話いただいたことがあったが、個人でもInstagram(アカウントは kokotua )を活用したりとクリエイターならではの創意工夫の人だ。

いちのいちへの投稿も従来の掲示板や回覧板用に準備するチラシやお知らせはもちろん、ボランティア講座の案内や消防からのお知らせなど地域のことで会員が興味を持ちそうな内容も吟味して投稿しているが、町内会で作成していないチラシに掲載している情報についてはわざわざチラシをもらいに行ってpdf化する作業を行っているため手間がかかってしまっているのが現状だ。都や区が発信している内容についてはそれこそ一斉送信で町会や自治会に配信するなどの連携がとれると良いと山脇さんは言う。

「今、会員になっている人じゃなくて全く自治会を知らない人に知ってもらうにはどうすればいいか。」

そうした考えから小学校のPTAの一斉送信メールにていちのいちの紹介をしたところ登録数が増えたそうで、この施策は有効だったと振り返りつつ、その結果いちのいちの投稿へのアクセス数も町会からのお知らせよりも夏休みのこども会の情報の方がアクセスが高かったそうで山脇さんの試行錯誤はまだまだ続く。

そもそも代沢中町会の課題として高齢化に伴う戸建て住まいの減少とそれに反比例するマンションの増加がある。マンション世帯は町会活動などには興味がなさそうな感じがすると山脇さん。

私がこの地域に引っ越してきたときは「町内会入ってね」って言われて「はい、わかりました」って入っただけなんですけどね。

昔は新しい家が地域に建ったら近隣の町会員さんたちが挨拶に赴き、町会への参加をお願いしに行くとほとんどの家庭が町会に入会してくれていたが、近年若い世帯の反応は悪く、ひどいときには「怖い」などと言われることもあるそう

受け止め方は人それぞれ、個人によって差があるのは理解できるものの、積極的に参加してくれる人もいる反面、不参加どころか関わり合いになりたくないといった両極端な反応に二分していると代沢中町会の皆さんは感じている。

インタビューに同席されていた会長の田中さんも「自治会の在り方から根本的に考え直さないといけない時期にきている」と、町会の抱える課題をかなり真剣に受け止め町会役員一丸となって様々な工夫を行っている。

とはいえ町会の会議のときに「いちのいちを見てボランティア講座に参加した」という方の話があがったそうで、興味のある人にはきちんと情報が届いているという実感も沸いているそう。

画家・イラストレーターという職業柄、町会の枠を超えて地域活動に参加している山脇さんはこれからも広い視野で町会員のみなさんに情報を届けてくれるだろう。

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