自治会・町会インタビュー 赤堤一丁目町会 – 3

赤堤一丁目町会付近の公園では地域の方の交流も見られた

自治会・町会向けアプリ「いちのいち」を活用している赤堤一丁目町会。その会長である上田啓子さんにバラエティにとんだお話しを伺ってきた。

最後の回となる今回は実際の赤堤一丁目町会の「いちのいち」運用方法や上田会長が工夫されている部分についてお伺いした。

「私はただばかバカなことつぶやいてるだけだからね」

なぜ会長がつぶやき担当に?

「こんな勝手なことつぶやいていていいのかなとも思ったんですけど、何も投稿してないのもまずいかなと思ってね。せっかく入っていただいた方に、情報発信をしなきゃいけないのかなと思うとやっています。」

「いちのいち」にはどんな情報を掲載していますか?

「いつ、なにがあったかやゴミ減量対策情報などの区やまちづくりセンターから掲載依頼があるものを中心に地域に関係するコンサートや消防訓練などの情報を掲載しています。」

世田谷区やまちづくりセンターとも連携し、幅広い情報共有をしている赤堤一丁目町会。紙の回覧板で回している町会ニュースやホームページにも二次元コードを掲載して「いちのいち」への参加を促すなどの工夫もこらしているそう。 紙の回覧板で取り扱う情報と「いちのいち」で取り扱う情報を、それぞれの特性にあわせて選びながら運用している赤堤一丁目町会。タイムリーな情報やカジュアルな内容のものタイムラグなく届けたい情報は積極的に「いちのいち」で共有するようにしているとのこと。他の役員の方々も、「いちのいち」はリアクションがわかって楽しいと思えるから手間がかかるとも感じていないと嬉しい声をきかせてくださった。

「いちのいち」はち自治会・町会向けSNSとしてサービスを提供しているのでいわゆるデジタル回覧板としてだけではなくコミュニケーション機能もあるのが特徴のひとつ。上田会長のように日常のことをより身近な人たちに興味・共感を持ってもらえるような「顔の見える投稿」が利用者のみなさんからも投稿されることが理想的だと「いちのいち」開発チームのも考えています。

「ちょうど私もSNSやってみたいと思ったときに「いちのいち」の導入がはじまったので飛びつくことにしました。町会の役員の方々に持ち帰って相談したら、 やってみようかって。

本質的には身近なことを教えてあげたい。それには、読んでもらった時に面白おかしく言わないと読んでもらえない、本当に身近で受け入れやすいものをしか受け入れてくれないっていう実情ある気がしますね。だから硬い内容のものとか、普通のものではない方向を模索しています。

とにかく、もうちょっと参加者が増えればいいなと思うんですけど、なかなか難しいところもあって、でもご高齢の方でも若い人に入れてもらったよって、参加している声を聞くこともあるので読んではくれている実感もあるし、身近な「見守り」ができているのかなとも思っています。

意外と高齢者だって高齢者向けスマホ持っていますからね。読んではいただけているみたい、だけどこの前の防災訓練は来てくれなかったのよ笑」

来てくれた方のなかに「いちのいち」を見た参加者もいたかもしれないが、防災訓練の投稿へのリアクションの数に比べて期待した来場者数が少なかったのにショックを受けたという上田会長。

それでも顔の見える範囲でつながっていると感じる人がひとりでも増えてくれれば良いと思い日々の情報を投稿するようにしているのだとか。

普段仕事でSNSやネットの情報を取り扱う機会が多いインタビュアーが、普段からネットの情報はガティブな情報が目につきやすく、電車や宅配の遅延がないことなど“当たり前”として受け入れられていることが実はすごいことだとか褒める声が可視化されにくいと実感し、積極的に褒めたり、感謝を述べるように気を付けていた部分を上田会長は実践されていたので非常に感銘を受けた。

そんな上田会長もちょっと意地悪こといってもいいかな、でもあまりよくないかなとか、こういうことって共有したいなということなどいろいろ考えながらつぶやいているそう。

「赤堤一丁目町会が“映える”とは思っていないけれども、日本人として大切にしたいことや少しでも町会に興味を持ってもらえそうなこと、若い役員の方も含め忙しい中時間を出し合って協力してくれている方々の気持ちを紹介したい」

そんな気持ちから「いちのいち」のつぶやき担当として投稿を続けているときくと開発チームとしても嬉しいかぎりだ。

上田会長の生い立ちやお人柄が紡ぐ赤堤一丁目町会の「面白そうだからやってみよう!」の精神は、世代交代を検討されている自治会・町内会のみなさまにも一歩を踏み出す勇気をくれる実例になるかもしれない。

「いちのいちMedia」では、こうしたさまざまな自治体・町会に関わる方の素顔や背景をこれからもどんどんご紹介していきたい。どんな人がどんな思いで自治会・町会活動を行っているのか、どんなエピソードをお持ちなのか、人にフォーカスをあてることで見えてくる気づきや共感をお届けしたいと考えている。

最後に、赤堤一丁目町会のみなさま、上田会長、貴重なお時間をおただきありがとうございました。

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